こんにちは。
ちょっと時間が空いてしまいましたが、アンガーマネジメント(怒りとの上手な付き合い方)①の続きです。
INDEX
- 前回のポイント
- 問題となる4つの怒り
- 自分の怒りのタイプを可視化してみる
- アンガーマネジメントの3つのコントロール
- 1.衝動のコントロール(6秒ルール)
- 2.思考のコントロール(三重丸)
- 3.行動のコントロール(分かれ道)
- まとめ
まずは前回のポイントを押さえておきましょう。
前回のポイント
- アンガーマネジメントとは怒りとの上手な付き合い方であり、怒らないことではない
- 怒りとは人間に備わっている自然な感情である
- 怒りにもメリットがある
- 怒りが生まれるメカニズムはライターから炎が生まれるメカニズムに似ている
では、さっそく続きに入ります。
問題となる4つの怒り
アンガーマネジメントは怒りをコントロールするための心理トレーニングである。怒りを無理に抑えるのではなく、後悔するような怒り方をしない。或いは怒らなかったことに後悔しない。怒らなくてはいけない時にきちんと怒る。では、後悔するような怒り方とは具体的にどのようなものなのか。その問題となる4つの怒りは次の通り。
- 強度が高い怒り 小さなことでも激しく怒る、一度怒りのスイッチが入ると強く怒る
- 持続性のある怒り いつまでも根に持ったり、思い出して怒ったりする
- 頻繁に怒る しょっちゅうイライラする、怒りのスイッチが入りやすい
- 攻撃性のある怒り 人や自分を傷つける、モノに当たる
自分の怒りのタイプを可視化してみる
自分の怒りの特徴(強度、持続性、頻度)や攻撃の特徴(人に向けるのか、自分に向けるのか、モノに当たるのか)をそれぞれ数値化してみると客観視できてよい(例えば1~5段階でいくつなのかなど。3角形のレーダーチャートにするとわかりやすい)。また、家族や友人、同僚などに点数をつけてもらうことができれば、自分の怒りや人の怒りについて理解が深められる。
アンガーマネジメントの3つのコントロール
怒りのコントロールは次の3つのステップからなる。
1.衝動のコントロール(6秒ルール)
怒りを感じた時に、反射をしないことが大切。反射ぜずに6秒間待つこと。6秒というのは、感情が生まれてから理性が働くまでの時間。6秒待つために使えるのがスケールテクニック。温度計をイメージして最高の怒り(動物の場合は目の前の敵を食い殺してしまうような怒りのレベル)を10、最も穏やかな状態を0とした場合、自分の今の怒りがどのくらいなのか考えてみる。これを繰り返していくと自分の怒りの温度が客観的にわかるようになってくる。
2.思考のコントロール(三重丸)
「許せるゾーン」の円を中心に描き、その外側に「まあ許せるゾーン」の円を描き、更にその外側に「許せないゾーン」の円を描く(等高線みたいに?)。そして何が許せて何が許せないか明確にすること。問題点は2つ。1つはこのゾーンの境界線が見えないこと。もう1つは、この「まあ許せるゾーン」が日々(機嫌によって)大きくなったり小さくなっりすること。そうすると、周囲の人はどうして怒っているのか、何に怒っているのかわからなくなる。まあ許せるゾーンを出来るだけ広げる努力をすることでイライラを減らすことができる。ただし、その境界を越えたらきちんと怒ること。そして、その境界を固定して言葉にして周りの人に伝えること。いつでもどこでも誰に対してでも同じ基準で怒れることが必要。
3.行動のコントロール(分かれ道)
思考のコントロールで「許せないゾーン」に入った場合は次の4つの中から行動を選択する。過去と他人は変えられないと言うが、変えられないのは人の性格や人格。行動を変えてもらうことはできる。
- 重要かつ自分の力でコントロール可能な場合→すぐに取り組む。いつまでにどの程度変わればいいのかを決める。(例:遅刻が改まらない部下)
- 重要ではないが、自分の力でコントロール可能な場合→余力がある時に取り組む。後回しでよい。
- 重要かつ自分の力でコントロールが不可能な場合→「変えられない」を受け入れたうえで、現実的に何ができるか考える。(例:渋滞にはまること)
- 重要ではないが自分の力でコントロールが不可能な場合→かかわらないようにする。(例:公共の場でのマナー違反)
リソースは有限である。重要度を決めて自分で線を引くことが大事。アンガーマネジメントの判断基準であるビッグクエスチョンとは、自分にとっても周りの人にとっても長期的にみて健康的な選択になっているかどうかということ。
まとめ
- 問題となる4つの怒り→強度が高い怒り、持続性のある怒り、頻繁に怒る、攻撃性のある怒り
- アンガーマネジメントの3つのコントロール→衝動のコントロール(6秒)、思考のコントロール(三重丸)行動のコントロール(別れ道)
怒りの感情は連鎖しやすい。怒りの感情が怒るとすぐに心理的安全性が担保できなくなる。全ての人が自分の感情に責任を持てば怒りの連鎖を断ち切ることが出来る。アンガーマネジメント(=トレーニング)をしていくことで怒ることは必要だが、他人も自分も責めず、モノにも当たらず、人に上手に伝えられるようになる。
いかがでしたでしょうか。いつでもどこでも誰にでも同じ基準で怒れるというのは、簡単にできることではないかもしれませんが、一歩でも近づけるように日々心がけていきたいものです。